聖クルアーンと科学

 

 大きな共同体

 

平均的な人間の身体は100兆もの細胞から出来ていると言われています。元々は子宮内で卵子に精子が侵入して、受精卵ができます。この受精卵は一つの細胞です。我々の身体のどの部分もこの受精卵から分化して出来ています。つまり、元が一緒なので体細胞はどれも同じゲノム(遺伝情報)を持っています。しかし、細胞が存在する組織によって役割が異なります。髪の毛を作る細胞や光を認識する眼の細胞や古くなった骨を壊す破骨細胞。みな同じ遺伝情報を持っています。


顕微鏡を使わないと見ることが出来ないくらい小さな細胞が様々なことを常に把握しながら生きています。例えば、自分が何の細胞であって、細胞自身の年齢や身体全体の年齢を常時把握しています。そして細胞としての任務が終わったらアポトーシス(細胞死)を起こします。


我々の身体は細胞から出来ている大きな社会のようです。もちろんその社会にも人間社会のように競争もあります。例えば免疫系のT細胞やB細胞と言われる細胞群は自己細胞と非自己細胞を認識する細胞です。この細胞たちは大量に作られ、外来抗原への敏感性によって一部だけ生き残り、ほとんどがアポトーシスのシグナルを受け死ぬはめに陥ります。あまり鈍い免疫細胞はもちろんのことあまり敏感な細胞だと自己細胞まで反応してしまうのもだめなのです。なのである程度、寛容を持つ細胞だけが生き残れます。


人間社会と同様におかしな細胞が出来たりもします。例えば、細胞は必要に応じて分裂を起こして増えることができます。しかし、癌細胞のような細胞は様々な原因によって必要以上に分裂を繰り返し、結局は腫瘍化します。初期に免疫細胞に異常が気付かれれば、破壊されます。しかし、癌細胞によって免疫細胞に異常が気付かれない細胞もいて、癌という病気を起こします。


環境汚染、病原菌、紫外線や遺伝的な原因などによって病気が起こることもありますが、ほとんどの場合細胞同士が兄弟であることを一刻も忘れずに平和に暮らしています。


今の人間社会は豊になりにつれ戦争やテロが絶えません。小さな細胞に学びたいものです。細胞を肉眼で見ることが出来なくても、今この文章をよんで理解できているのも何億もの細胞の協力の結果です。いつも考える人間でいられますように。クルアーンでは以下のように述べられています。


「われは地獄のために,ジンと人間の多くを創った。かれらは心を持つがそれで悟らず,目はあるがそれで見ず,また耳はあるがそれで聞かない。かれらは家畜のようである。いやそれよりも迷っている。かれらは(警告を)軽視する者である。」高壁 (アル・アアラーフ)章179筋

 

 

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