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「わたしは沈みゆく諸星〔hunnas〕似おいて誓う。(軌道〔kunnas〕を)運行して没する(諸星において)」包み隠す章
(アッ・タクウィール)15-16節
これらの節はクルアーンの中でも最も解釈が困難なものであり、理解するのは容易なことではない。というのも、実に奥深い物理的真実を紐解くものであるからである。この章では主に、最後の審判の日における全人類の復活について説明がなされている。それは理解が非常に困難なテーマである。1から14までの節は終末の時の状況の説明で、15節と16節は宇宙と天体物理学に関する二つの基本原理について言及している。このように、この章では、人々が復活という概念を正確に理解する為には、物理に対する深い知識が不可欠であることが強調されている。
一見して明らかなように、節を理解する前にまず、hunnasとkunnasという単語の意味を知る必要があろう。これらの単語はアラビア語であるが、これまで何世紀にもわたって行われてきた辞書に頼るという単純な方法では、この章におけるこの二つの単語の持つ存在力を把握するには不十分であった。
この二つの節の最初の解釈はカリフのオマルによるものである。彼はまたこの章に関して多くの情報を残していて、天体の軌道という視点から、節の意味を解釈している。この「天体の軌道」という解釈は一つの受け入れられ得る解釈である。もう一つ驚くべきことは、この節が14世紀前に明らかにされ、物理の基幹となる法則を具体化したという事実である。同時に、天文学においても非常に重要なものとなっている。
Hunnas:流れに逆行するもの、下る、収縮する、折りたたむ
Kunnas:一定のルート、軌道、運動体の経路、入れ子(nest)
両単語の意味を解釈するにあたって、「いいえ、我は誓う(ファラー ウクスィム)」という宣言の持つ重要性を決して忘れてはならない。それは二つの節に、共通のある意味を与えているからである。終末の日の説明をなす一連の節が15‐16の節を境に終わり、そして神の誓いが始まるという事実からも、まさに重要な説明がなされるところであるということを示唆している。
ここで、物理学の基幹となる構成単位に目を移してみよう。どの構成単位がhunnasやkunnasの特性を備えているだろうか。
ア)単体の原子について考えてみよう。その構造はいかなるものであるか。莫大なエネルギーが内部に「折り畳まれ濃縮された」、あるいは集中させた(hunnas)原子核、それに加えて、その周りを自らの軌道で行き交う電子(「巣」あるいは電子殻:kunnas)。これは二元的なシステムで、そこにはhunnasとkunnas双方の神秘が含まれている。良識のある人誰もがこの解釈を自然なものと判断することだろう。またこの15−16の節を除いて他にこの状況を叙述するものがあるだろうか。
言うまでもなく神は、事物の最小構成単位である原子を、「復活」の前に起こる、全面的な破壊の一例として示しているのだ。「hunnasとkunnasの神秘がいかにしてお互いにバランスを保っているかを見よ。」神は続ける、「すべての結合を解きまきちらす、そのような破壊工作を想像することが出来ようか」
イ)物理学上の別の構成単位である量子、そしてその次元経路について考えてみよう。現代物理学が我々に明らかにするところによると、量子の波動は、その存在の基礎といえるものであり、それはそのエネルギーに応じて次元経路を選択する。次元が不動で、神秘的かつ減退する(kunnas)方向・傾向であるのに対し、量子はエネルギーあふれる荒々しい動きを代表するものである。しかしある特定の経路では、hunnasはその経路(「巣」)を支配する量子を意味する。
こうした事実を考えると、聖なる節の解釈はその神秘を声高に叫んでいることが読み取れる。「減退する次元を通じ、それらを支配する量子を通じて我は誓う」
ウ)天文学的観点からのごく初期の解釈の中で、滅びた星の集まり(ブラックホール)の位置情報が述べられている。ブラックホールは収縮し、ついには「イベントホライズン(事象の地平線)」の向こう側に後退(hunnas)する。また同時に、準星や莫大なエネルギーを放出する超新星(kunnas)のようなその他の星と並んで存在する。ブラックホールはhunnasの最も重要な特性を持っているといえる。莫大なエネルギーが一旦は留まるが、やがて収縮し、活動を停止する場所。同時に時空四次元の世界との関連性もほぼ失われてしまう場所。他方、何十億という引力のhunnasの軌道にそって移動する、星からなる物体でもある。
「包み隠す章」の中で定義される「復活」に含まれる意味を理解する為に、神は我々に、hunnas とkunnasの神秘の見地をふまえて、この宇宙に存在する星を観察するという喜びを与えて下さったのだ。
高貴なる神は、包み隠す章の1‐14の節の中でクルアーンの持つ意味の中に、「復活」を定義された。そして宣誓と言う手段でこの点に関心をおひきつけになった。
関心がひかれるべき重要な点とは何であろう。それはhunnas とkunnasの組み合わせにより定義され得る、あらゆるシステムである。これらのシステムは、相互関係のある統一体を形成するのに不可欠である。そうしたシステムを構成する三つの例をこれまで扱ってきた。
ここで重要なポイントを今一度はっきりさせたいと思う。問題の節が暗喩するのはこの三つのシステムのうち、一体どれであろう。その答えは、それらすべてである。
またその他多くの物理的事実も同様である。というのもこの節は物理学的起源の原型を成すものであるからである。
引力は星、そして原子双方の中に力として存在するもので、hunnas とkunnasの神秘はすべての物理的システムの根幹に存在する。この観点から我々は、より興味深い物理的法則への一歩となるかけ橋を築くことが出来る。その中のひとつをここで説明してみたいと思う。
量子レベルでは、多くの基本的な副原子的分子(電子、陽子、中性子など)が回転運動を行っている。空間的次元内ではこの運動は磁気を生み出す。より正確に言うならば、空間に存在する目に見えない数々の次元は振動し、磁場を生み出している。
この現象を日常的にありふれた視点から説明することは不可能だが、ここにある節がその真実をわれわれに明らかにしてくれる。こうした次元のもつ神秘は、減退的で表面には現れない力なのである。量子の動きはhunnasの神秘を、空間の持つ潜在的な磁気はkunnasを表している。
引力そのものはkunnasの神秘から生じるものである。以上みてきたように、15-16節において広々とした宇宙を通して行われているこうした目に見えない物理的法則を媒介し、神は宣誓するのである。
15‐16の節にはまた、精神科学の観点から見てとても重要な神秘が隠されている。
しかしながらこの本の趣旨から外れることとなるので、ここではこの点についてこれ以上触れないこととしよう。
すべての創造物はhunnasとkunnnasの状態を保持している。一つは調和的な動きによる流動状態であるのに対し、一方は一見あたかも死んでしまったかのような後退・秘匿状態である。物理的には、これら二つの形状はそれぞれ運動、潜伏静止段階と呼ぶことが出来るだろう。そして実際、最新の物理宇宙起源論は、この基本概念について以下のように言及している。
ア)マーティン・ライル とアラン R.
サンデージの理論によると宇宙は20億年前に収縮点から発する破壊的な運動によって誕生した(ビッグバン理論)。その点に閉じ込められたエネルギーとそれに続いて発生する巨大な拡散的な運動のエネルギーは同量である。
イ)アンドレイ・サハロフの理論によると現在の宇宙はすでに後退し消失してしまったもう一つの宇宙に対する対宇宙である。一方の宇宙は無活動状態にあり、現存する動態宇宙と平衡を保っている。
さあ、親愛なる読者の皆さん、包み隠す章の15−16節の持つ荘厳さがお分かりになられたことだろう。「『復活』を理解するにはまず後退(休眠)状態、及び流動(活動)状態にある宇宙両者に目を向けなければならない。」この宣言を我々に届けるにあたって、神は次のような誓言でもってはじめている。「それは真に創造の偉大なる神秘である」
さあ、ここでもう一度節を読み直してみようではないか。
「わたしは沈みゆく諸星において誓う。
(軌道を)運行して没する(諸星において)」
創始と物理学に関する驚くべき秘密はこのようにして14世紀も前にわれわれの手元にもたらされたのであった。
 
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